当教室の特色 —耳鼻咽喉科医を目指す人たちへ—
京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室は開講100年以上の歴史を持つ教室ですが、この長きにわたって常に、臨床・研究分野において時代の最先端で活躍することを目指してきました。附属病院は良質で最新の医療を提供する機関として京都府下を中心に近畿一円からの信頼が厚く、我々は耳鼻咽喉科として専門性の高い、高度な医療を安全に提供することを心がけています。また、医育機関としても多数の良質な医師を育ててきた実績があります。研究に関しても、次代の治療法の開拓につながるオリジナリティのある研究を行うことを使命としてきました。以下に教室の今を紹介いたします。
我々の教室は京都府下を中心に、滋賀・大阪・兵庫の20以上の医療施設と密接な関係を保ち続けています。いずれも地域医療の中心を担う基幹施設です。これらの医療施設に勤務することで、幅広い耳鼻咽喉科疾患の治療に携わることが可能となります。経験豊富な指導医のもとで、仲間とともにディスカッションを重ね、数多くの症例を自身で診察して診断と治療を行い、その回復の過程を目にすることは臨床医として何事にも代えることのできない貴重な経験であり、将来の財産になります。
大学での基礎・臨床研究も大学院生を中心に盛んに行われています。研究班は耳科学、鼻・アレルギー学、喉頭科学、頭頸部腫瘍学に分かれて活動しています。しかし、それぞれのグループは毎月行われるリサーチカンファレンスを通じて課題を共有し、問題点を解決しながらともに研究を進めています。大学院への進学率も高く、また進学しなくとも個人の希望に応じて各研究グループに属すことが可能で、興味を持つ分野の研究を始めることができます。また国内、海外への留学も盛んに行われており、世界トップクラスの研究に携わることも夢ではありません。
現在の世界に誇れる日本の高度な医療水準を保ち発展させ続けるためには、すべての医師は、それぞれの立場で使命を全うすることが求められます。その中には、医育機関で教育・研究に携わる医師、基幹病院で医療を支える医師、そして地域に根ざした細やかな医療を提供する開業医などが含まれます。我々の医学教育は、それぞれの医師が将来どの立場になっても責務を全うする能力を身につけることを目標としています。
教室には女性医師も多数在籍しています。それぞれの医師のライフスタイルの変化に応じて、勤務体系を常勤から週数日の非常勤まで柔軟に対応するよう配慮しています。これにより、多数の女性医師が医師としてのキャリアが途切れる心配を持つことなく、最適な勤務体系で活躍することができます。結婚や子育てなどのライフスタイルの変化を心配して、入局を躊躇する必要はありません。
京都御所と鴨川に面し五山を望む本学は、人の心を癒し慈しむための風土に恵まれています。この地で医師としての一歩を踏み出そうとする熱意ある皆さんが、私たちの教室の一員となって、新たな伝統を築いてくれることを期待しています。
研修医の立場から —耳鼻咽喉科ローテーションを選択して—
研修医 Y. N.
臨床研修制度が始まり、はやくも7年余りが経とうとしています。制度はより自由な選択ができるように変化し、各研修施設が提案するプログラムも多様化しています。幅広い知識、スキルを身に付けられるプログラムに人気が集まる一方で、より早期から専門の研修をうけられるプログラムのニーズも高まってきました。
このような中で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科での研修は、ジェネラリストを目指す人、またより専門性を高めたい人、そのいずれのニーズにも応えられるものと考えています。私は、内科6カ月、外科2カ月、救急・麻酔4カ月、小児(NICU)・産婦人科4カ月、地域医療1カ月を必修で回った後、放射線科2カ月を選択し、2年目の12月から耳鼻咽喉科を4カ月選択しました。3年目に当科へ進むことを考えての選択でしたが、その経験を踏まえて、当科でどのような研修が行えるかを少し紹介したいと思います。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科では、小児(乳幼児)から大人まで非常に幅広い患者層を対象としています。それゆえに、common diseaseを扱う機会が多く、内科や小児科領域と重複する疾患も存在します。同じ疾患であっても、他科とアプローチの仕方が異なるものもあり、非常に参考になりました。例えば、急性喉頭蓋炎は、当科が扱う代表的な救急疾患ですが、その診断や治療だけでなく、喉頭ファイバーで気管切開の要否を判断する過程などは、一歩踏み込んだマネージメントを経験でき、非常に有用でした。また、「頭頸部外科」という名の通り、day surgeryからICUを経由するような長時間手術まで、幅広い手術症例を扱います。そのため、研修医として必要な外科手技だけでなく、人工呼吸器管理を含めた全身管理も経験でき、内科や救急、麻酔またはNICU等で学んだ知識を実践し、深めることができたと思います。
このように、診断や治療だけでなく、外科手技および全身管理まで経験できることは、スーパーローテートの目的とするところに、まさに合致するものと考えます。他科で学んできた経験を生かしつつ、さらに専門的な内容まで踏み込むことができるというところに、当科の大きなメリットがあると思います。耳鼻咽喉科を考えている先生方だけでなく、内科や小児科、その他の外科系科目を考えておられる方にも、魅力ある耳鼻咽喉科・頭頸部外科の選択を強く薦めたいと思います。
専攻医の立場から —京都府立医大耳鼻咽喉科学教室に入局して—
専攻医 N. K.
私は卒後臨床研修が始まって2年目の春までは、耳鼻咽喉科とは違う科を志していました。しかし、様々な科で研修を受けるにつれ、患者と接する機会が多く、診察、診断、内科的治療、手術加療に至るまで全て自科で完結できる科に魅力を感じるようになりました。耳鼻咽喉科はいわゆるcommon diseaseから悪性腫瘍まで、新生児から高齢者までと、実に幅広い疾患、年齢層の患者に接することのできる科で、大学で1年間学んだ今、その奥深さを実感しています。京都府立医科大学は京都府のみならず滋賀県、大阪府、兵庫県まで多数の関係病院を持ち、京都府下全域の医療を支えている大学です。そのため、本学では耳、鼻、喉頭、頭頸部腫瘍などそれぞれの領域の疾患を偏りなく研修することができます。また他大学出身者が多く(私の同期は全員が他大学出身者です)、出身大学でないことでの不都合を感じたこともありません。まだ専門分野を決めかねている方、京都で働きたいと考えている方はぜひ一度見学にいらしてください。
教室見学・ハンズオンセミナー
入局募集
京都府立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室は、随時入局者を募集しています。 私たちの教室は、関係病院の勤務医はもちろん、教室出身の開業医も含めて、同門の医師達の和を大切にしています。大学は京都市の中心で、古き文化と新しき文化が融合する環境に立地しています。この伝統と進取を兼ね備えた気風の中で、医療に貢献し、医学を学ぶ楽しさを私たちと共有しませんか?熱意ある方なら出身は問いません。入局希望の方は、ぜひ一度、教室見学にいらして下さい。
教室見学
当教室に興味をお持ちの医師、学生、研究者の方々の見学は大歓迎です。実際の臨床や研究の現場を見ていただき、私たちが行っている質の高い医療サービスやユニークな研究内容を紹介します。夏休み等を利用した短期の体験入局も可能です。見学は随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。
お問い合わせ
京都府立医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室医局
研修担当 辻川敬裕 <tu-ji@koto.kpu-m.ac.jp>
TEL: 075-251-5603 FAX: 075-251-5604